⑰ 躁転しました編(入院3ヶ月目)

躁転したきっかけ。抗うつ剤の追加と一時帰宅。

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こんにちは、ミィです。私は、第一子を出産後に、産後うつになりました。

産後3カ月から精神科に入院していましたが、産後5カ月の頃に躁転。双極性障害であることが発覚しました。

産後9カ月に寛解し、現在は、双極性障害のお薬を飲みながら、普通に生活を送っています。

今回は、私が、うつから躁になったきっかけについて書いていきます。

 

最初の診断名は「うつ病」。まさか自分が双極性障害とは。

私の最初の診断名は「うつ病」でした。

うつ状態のときは、まさか自分が躁になるとは思いもせず、双極性障害なんて自分には関係ないと思っていました。

私にとって、うつは地獄のように辛い経験でした。

心は、強烈な不安感、自分の身の置き場がないような焦燥感、死んでしまいたいほどの絶望感でいっぱい。

脳は完全にイカれてしまい、音楽は騒音に聞え、文字を読むことも出来ず、テレビは見ているだけで恐ろしい。

体は、異様な倦怠感、鉢をかぶったような頭の重さ、昼も夜も眠ることが出来ずにフラフラ歩き回り、生きているだけで苦痛でした。

一刻も早く、この辛い日々から抜け出したいと願う毎日でしたが、まさか自分がうつが抜けた途端に躁状態になってしまうとは。「双極性障害」なんて、名前もちゃんと聞いたことがなかったのに。

双極性障害は、うつ状態から始まる人がほとんどなので、最初はうつ病と診断され、その後に双極性障害であることが判明するケースが多いようです。

抗うつ剤追加と入院53日目の一時帰宅(12日間)。

さて、私が躁転したきっかけは二つあります。

①それまで飲んでいた抗うつ剤に加えて、新しい抗うつ剤を飲み始めたこと。
 

②入院していた病院から一時帰宅して、数え水入らずの楽しい時間を過ごしたこと。

精神科に入院してから53日目(産後5カ月)、私は、年末年始で自宅へ一時帰宅することになりました。

私の病状が良くなっていることから、夫・いっくんの提案で12日間も自宅へ帰ることになったのです。

主治医の向井先生は「とりあえずやってみなさい。疲れたら戻っておいで。」と言ってくださり、いきなり長期間の帰宅にチャレンジすることになりました。

うつの辛い症状はだいぶ回復していましたが、頭の重さと不安感が取れなかったので、この1週間前に、私は、それまで飲んでいた抗うつ剤(リフレックス)に加え、レクサプロという抗うつ剤を飲みはじめていました。

ちょうど、新しい抗うつ剤が効き始めたタイミングと、一時帰宅が重なりました。

いつの間にか、頭の重さと不安感がスッカリ抜けていたのです。まるで、うつがすべてが良くなったかのようでした。

一時帰宅で、うつ病とは思えないほどの行動力を発揮する。

私は、久しぶりの自宅での生活と、我が子との対面で緊張して、決死の覚悟で臨みました。「全力でやりきってやろう」くらいの気合が入っていました。

さらに、私は、この一時帰宅の間に、うつ病の人とは思えない行動力を発揮します。

12日間に何をしたのか振り返ってみましょう。

1日目:病院から義理実家に電車で行く。大ちゃん(息子)、いっくん(夫)と自宅アパートに車で移動する。

2日目:子育て支援センターで大ちゃんと遊ぶ。手芸店で買い物。カレーを作る。

3日目:頭が痛くなり、一日中寝る。

4日目:近くのショッピングセンターに行く。すき焼きを作る。

5日目:近くのショッピングセンターに行く。紅白歌合戦を見る。

6日目:初詣に行く。シチューを作る。

7日目:朝五時に寝ぼけて壁に激突する。ららぽーとで買い物をする。

8日目:ショッピングセンターに行く。チャーハンを作る。夕飯は鍋。

9日目:ショッピングセンターに行く。チキンライスを作る。裸の大ちゃんにチューする。
10日目:午前中、大ちゃんと二人きりで過ごす。午後、フィットネスに行く。

11日目:保育園の一時保育登録(2か所)。ショッピングセンターに行く。保育園の連絡帳を自作する。

12日目:夜中の2時と4時に目覚める。手芸店で買い物。ファミリーサポートの登録。病院に戻る。

つい昨日まで、病院で一日中寝ていたうつ病の人とは思えない活動量です。

私は、初めて、大ちゃんといっくんと家族三人水入らずで過ごして、それはもう、めちゃくちゃ楽しかったんです。本来の家族の形を取り戻した喜びで、舞い上がりました。

怖いと思っていた我が子のことが可愛くてたまらず、スマホで大ちゃんと写真や動画を撮りまくりました。

日記にはこんなことまで書いています。


「大ちゃんはかわいいなぁ。子どもってホントにかわいいなぁ。もう一人・・・なんて思っちゃったりして。」

「お風呂前に大ちゃんを裸にしたら、可愛かったので、チュッチュして楽しんだ。いないいないバアも面白い。大ちゃんを自分の手で育てたいと思うようになってきた。」

テンションあがってますね。産後うつで死のうとまで思いつめてた人とは思えません。

うつのときは大ちゃんと二人きりになることも出来なかったのに、とつぜん二人きりで過ごせるようになっていました。少し緊張はしましたが、前ほどの恐怖感はありませんでした。

さらには、自分の楽しいことでもやろうと、近所の病院でやっているママさんフィットネスにも参加。ツイッターの産後うつ仲間からは「あなたは本当に私と同じ産後うつですか!?」と驚かれました。

事務的なこともやる気が起き、自分で判断して、保育園に電話をかけ、一時保育の登録を二か所も済ませ、ファミリーサポートの登録までやりました。

保育園に一時保育の登録に行ったときには、私はすでに躁になり始めていたと思います。

園長先生にハイテンションでペラペラ話していましたし、帰宅後すぐに保育園の連絡帳を自分で作り始め、シールでデコったり、やらなくてもいいことまでやってましたから。

一時帰宅が終わる頃には、夜中の2時と4時に起きるようになり、4時に起きたあとは再入眠できなくなりました。お昼寝もできなくなり、デパスを飲んでちょっと寝たりしていました。

いきなり調子が良くなった躁の始まり。

これが躁の始まりです。

テンションが上がって、行動的になるというのが、前兆でした。
 
まだ、攻撃的になったり、迷惑行為に走ったりはしなかったので、家族は気付いていません。「テンション高くない?」くらいなものです。
病院に帰宅し、向井先生に12日間のことを話すと、先生は「12日間の行動じゃないよ、これ。」と言って、驚愕しているというか、飽きれているというか、微妙なリアクションでした。私は、てっきり「よくやった」とほめてもらえるかと思っていたのですが。

当然ですよね、うつ病で入院しているんだもの。私は、自分が病気で療養中ということをスッカリ忘れていました。

私の場合は、調子がじわりじわりと治っていたのではなく、あるとき突然、調子が良くなりすぎてしまったんです。

しかも、調子が良くなりすぎて、次第に人に迷惑をかけるような奇行に走るようになっていきます。

これからの記事では、躁になってからの私の行動について、もう少し書いていきたいと思います。

つづく。

 
「双極性障害」ってどんな病気? 「躁うつ病」への正しい理解と治療法 (心のお医者さんに聞いてみよう)
大和出版
 
双極性障害について書かれた、日本で一番分かりやすい本。入門者におすすめです。
 

 


この本を一冊読めば、双極性障害という病気の症状、お薬、治療法などが全部分かります。

 

 

双極性障害(躁うつ病)の人の気持ちを考える本 (こころライブラリーイラスト版)
講談社
 
家族向けに書かれた本ですが、イラストも入っていてとても読みやすいです。

 

 

⇒ つぎの記事  躁の初期症状。躁転したとき、世界が輝き出した。

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