こんにちは、ミィです。産後うつ病の症状を詳しくお伝えするシリーズ、第7回。今回はうつ病によくある症状、「不安感」について、詳しく書いてみようと思います。
うつ病の不安は通常の不安とは次元が違った
「不安」
誰にでもある感情。
たとえば、「明日は重要な会議。準備したとおりに出来るか不安だな。」これは具体的な不安で、誰でも経験したことがあると思います。
「超高齢化社会の日本でこのまま暮らしてても年金もらえないかもしれないし、将来孤独死したらどうしよう。将来のことを考えると不安でたまらないよ。」
これは、漠然とした不安ではありますが、難しく考え出すと誰しもこの程度の不安は感じたことがあると思います。
うつ病の不安は、これらとは全く次元が違うものでした。
うつ病の不安とは
産後1ケ月頃から、それまでには感じたことがない不安を覚えるようになりました。
あるとき、テレビを見ていて、「生後1ケ月の赤ちゃんを虐待死させたお母さんのニュース」が流れたことがありました。
それが、これから自分が我が子に対してしてしまうような気がして、震えるほど恐ろしかったのを覚えています。
母に「私も大ちゃん(息子)のことを殺してしまうかもしれない・・・」と訴えると、母は「神経質な人は誰でもそういう風に思うんだよ。」と言いました。
そうではないんですよ。
ニュースを見て「私も事件を起こしてしまうかも」と、ふと思ってしまうことはありますが、そんなものではなく、まるで必ずわが身に降りかかってくると確信するような不安でした。
さらには、まだ起こってもいない未来について、あり得ないほど過敏に心配し始めるようになりました。
「東日本大震災みたいな大地震が起きたらどうしよう。ミルクが飲ませられない。」
「私がインフルエンザになったら誰も大ちゃんの面倒をみる人がいなくなっておしまいだ。」
「授乳口付の洋服が足りない気がする。一体どうしたらいいんだ。」
私はもともと心配性なところはありますが、心配性の域を超えて、一日中ありとあらゆる不安について考えている。不安でたまらず右往左往している感じでした。
ひとりでいると何だか不安でたまらず、常に誰かと一緒にいないとダメで、ひとりになることも、赤ちゃんと二人きりになることすらできなくなりました。
不安は、凄まじい不安感へ
そうした「不安」が産後2~3カ月頃からは、凄まじい「不安感」に変わりました。
夕方、日が沈むと、訳も分からない押し寄せるような不安感が頭を支配して、身もよだつような恐怖に襲われるようになりました。
夕方の薄暗い中、父の運転で車に乗ったときも、「暗くて怖い!」と騒いだり…(父は「怖い?」と不思議そうにしていましたが。)
夕方、部屋の中を「わーーーーーーーー!怖い!」と言いながら、大ちゃんを抱えてウロウロ歩き回ったり…
このころは、重い不眠になっていたので、夜は眠ることもできずに、体の奥底からじわじわと体中に虫が這いまわっているかのような焦燥感がこみ上げてきては、家の中を徘徊していました。
あるとき、眠ろうとしたら、意識が一瞬なくなったのか、眠ったのか分かりませんが、赤ちゃんの生首のイメージが見えたこともありました。
あれは幻覚だったのか、はたまた夢だったのか分かりませんが、赤ちゃんの生首のイメージは何度か見た気がします。
我が子が怖くてたまらないという症状があったので、行きつくところまで行きついて、赤ちゃんの生首が襲ってくるようなイメージが見えたのかもしれません。
襲いかかるような不安感と、いてもたってもいられない焦燥感で、脳と体は支配され、恐怖で満たされていました。
精神疾患は見えない拷問
一睡もできず、時間は進まず、じっとしていられない。
部屋から部屋へと深夜の家の中を徘徊する日々。
まるで、ホラー映画かお化け屋敷の中に24時間いるようでした。ここまで来ると拷問ですね。
あまりにも苦しくて、「私をどこかに入院させてくれないかな。」「誰か殺してくれないかな。」と苦悶しました。
さすがの私も「自分の精神はおかしくなっている」と自覚をもつようになりましたが、時すでに遅し。
自分の力では、「病院に行こう」と決めることすらできず、病院に行く方法も分からず、認知機能が低下してしまってうまく言葉にならないので、ことの深刻さを誰にも伝えることができなくなっていました。
私の中ではこれほどの惨劇が起こっているというのに、外見からは何の変哲もない、家族も気付くことが難しかったようです。
ですから、早めに精神科(メンタルクリニックtなど)を受診し、ここまで悪化する前に治療をスタートすることが大事だと思います。
ちなみに、この正体不明の不安感は、抗うつ剤を飲み始めてから2~3週間で楽になり、2~3カ月ほどはでなくなりました。
少なくとも、幻覚のようなものを見たりする前に病院に行くべきだったな・・・とつくづく思っています。
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