こんにちは、ミィです。私は、第一子を出産後に、重い産後うつを患いました。
産後3カ月で、「産褥期のうつ病だね、入院すべきです。」と診断され、うつ病専門病棟を紹介されたもの、私は精神科に入院することが受け入れられませんでした。
「海外旅行に行くつもりで入院してきなよ」
考えてもみてください。それまで普通に人生を送って来た人が、突然うつ病になった。
それだけでもショックで、受け入れがたいことなのに、精神科に入院とは。
「私のうつ病ってそんなに悪いの?入院なんかしたら薬漬けにされる!精神科なんて、変な人の集まりなんでしょ?」
うつ病に対する否認や精神科への偏見も心の底にありました。(実際は、入院しても薬漬けにされないし、入院仲間はいい人ばかり。)
私の心は、不安と猜疑心でいっぱいでした。
うつ病がひどいときは、いわば「イヤイヤ期」。
ものの味方が極端に悲観的になっているので、何をやっても無駄に思えて、何を提案にも「イヤだ。」と反応してしまうんですよね。
当然、私は「入院したくない。」とごねました。
私の夫・いっくんは、「入院させないとマズイ。」と冷静な判断ができる人でした。
いっくんは、私の気持ちを軽くしたいと思ったのか、こう言いました。
「海外旅行に行くつもりで入院してきなよ!」
私が紹介された病院は、うつ病専門のストレスケア病棟です。独房のような薄暗い所に閉じ込められるような怖いところではなく、明るくてきれいな開放病棟でした。
急性期の患者さんは閉鎖病棟に入院することになっているため、軽症の患者さんばかりでした。
ヨガや陶芸などのリハビリプログラムもあり、3食食事つき。個室。うつ病じゃなかったら旅行気分で行ける楽しいところとも言えなくもないです。
この状況での、このおっとりした発言は、若干あっけに取られましたが、いっくんの持ち前のポジティブ思考には助けられました。
私は、3カ月間入院することを決めました。(3カ月以上入院すると個室のベッド代が高くなるため。)
産後うつで入院するメリット・デメリット
結論から言いますと、私は入院したことで、最高の治療環境の中で劇的な回復を遂げることができました。私にとっては、入院は最善の選択であったと言えます。
2か月ほどで躁転(うつからハイテンションな躁に一気に変わった。)しましたが、入院していたので、躁転していることにいち早く気付くことができました。
読者の方から、「入院すれば良くなるんですか?」という質問を受けることがありますが、それは一概には言えないですね。
私の場合は、以下の理由で入院せざるを得なかったから入院したということです。
・希死念慮(死にたい気持ち)が強く、自殺の危険性が高かったこと。
・不安感が強く、赤ちゃんと二人きりでいられなかったこと。
・フォローする家族が疲弊していて、私の面倒を見れなくなっていたこと。
私なりに産後うつで精神科入院するメリット・デメリットをまとめてみます。
メリット
・赤ちゃんから離れて治療に専念できる。
・家事や育児を一切しなくていい。
・いくらでも寝てられる。
・すぐそばに医師と看護師がいるから何があっても安心。
・薬の変更がしやすい。
・うつ病の悩みを共有できる仲間と一緒にリハビリできる。
・家族の負担(うつ病患者へのケア)を減らせる。
デメリット
・赤ちゃんから離れていることへの不安が募る。
・病院によっては自由を制限されたり、環境がいまいち。
・他の患者との接触が嫌な人はストレスになる。
・入院費がかさむ。
大事なのは、家族の理解
いずれにしても、「入院しさえすればよくなる」というものではないでしょうね。
何はともあれ、入院するためには、家族の理解が大事です。
家族が、入院中の赤ちゃんの面倒、家事を何とかしてくれ、金銭的な負担を理解してくれることが前提となります。
その点、いっくんは本当に理解がありました。
大ちゃんは、義理の実家で、昼間は義母が面倒を見てくれ、夜のミルクはいっくんが仕事をしながら頑張りました。
いっくんは休日はアパートに戻って部屋の掃除をしたり、郵便物の確認をしたりもしてくれました。週に一回は私のところにお見舞いに来てくれました。
金銭的なことも、「お金のことは何も心配しなくていい。」と言って、3カ月間入院させてくれたのですから、私は本当に恵まれていたと思います。
家族にとっても、私が入院してプロに任せた方が負担が減ったという面もあったでしょう。
うつ病患者の心のケアは、家族でもかなりの精神的な負担になります。
「死にたい」ばかり言って、何を提案しても「イヤ」と答える。暗い顔で寝てばかりいるうつ病患者の相手は、本当に疲れると思いますよ。精神的に距離を置かないと、自分までうつ病に巻き込まれます。
以上、産後うつで入院すべきかどうか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
ちなみに、「どこの病院に入院していたんですか?」というご質問にはお答えできませんので、あしからず。
お話は、これから波乱の入院生活に突入していきます。
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