⑭ 発狂からの自殺未遂、そして入院編

「産褥期のうつ病だね、入院すべきです。」

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こんにちは、ミィです。私は、第一子を出産後に重い産後うつを患い、産後3カ月で自殺未遂を図るまで追い詰められてしまいました。

今回は、私がメンタルクリニックで精神科への入院を勧められたときの話です。(前回記事:産後うつで自殺しようとした話を先にお読みください。)

 

産後106日、Bメンタルクリニック受診

産後99日、私はやっとBメンタルクリニックを受診しました。(そのときの話は、発狂。そして精神科を緊急受診した日のこと。

処方された抗うつ剤(リフレックス)と抗不安薬(デパス)を飲み始めるも、抗うつ剤の効果が現れるのは2週間ほどかかります。

その間、自殺を試みるも失敗に終わり、1週間後の産後106日、次の受診日が来てしまいました。

私が産後104日に書き残したメモがあります。


産後104日

このメモは、自殺未遂した翌日に書いたものです。よくぞこんなに読みやすい文字で、まとまった文が書けたと思います。

Bメンタルクリニックへは、母と大ちゃん(息子)の3人で行きました。

私はストレスのあまり、お腹を下してしまいました。

先生は、診察室で「赤ちゃんかわいいね~」とか世間話をしてくれていましたが、私はそんな言葉は全く耳に入らず、部屋に入るなり持参したメモを読み始めました。

「頭が重いざるをかぶったようで痺れるんです。
夜うまく寝付けないんです。
ボーっとして文字が入ってこないので、雑誌も本も読めません。
テレビの画面が見れません。
記憶力がなくて何もかも忘れてしまいます。
何も集中できずにソワソワしてしまいます。
判断力がなくて何も決められません。人の話が何も入って来ません。
音に敏感になってしまい、テレビの音もうるさくて、小児科に行ったらうるさくて気が狂いそうになりました。
段取りが分からなくて簡単な家事も出来ません。仕事なんて、出来るわけないです。
これからのことを考えると不安で自殺したくてたまりません!
日曜日あてもなく散歩して踏み切りまで行って飛び込もうとしたんですけど、怖くてできませんでした!

嘘がつけない私は、自殺しようとしたことまでありのままをしゃべっていました。

先生は、バッサリこう言いました。

「もう、入院した方がいいですよ。」

 

「入院してください」と言われてパニックになる

私は、パニックに陥り、「入院!?入院って・・・!?」と慌てふためきました。

母も驚いて、「娘は普通にやれてますよ!」と反論しました。

先生は、魂のこもった説得を試みてくださいました。

「娘さんはもともと能力が高いので、普通にやれているように見えるかもしれないですが、ギリギリの状態なんですよ!もう、行動にうつしちゃってるんだから、入院した方がいいです!

うつ病の本質は、落ち込んじゃうとか、そんなんじゃないんですよ。脳に霧がかかったようになって、何も考えられなくなる、それがうつの正体なんです!うつ病を甘く見ないでください!」

それでも私は男の先生を信じられず、「私はそんなに重いうつ病じゃない」と否認して、「女の先生なら分かってくれるはず!私は産後の疲れでおかしくなってるだけなんだ!」などと主張し始めました。

頭真っ白、脳みそ崩壊状態で、何を言われても頭に入って来なくて、診察時間をオーバーして「ああでもない、こうでもない」と自分の言いたいことを繰り返してしまいました。

先生はもう仕方ないと思ったのか、診察を終わりにしてこう言いました。

「10日後に女の先生の予約を取るから、絶対に自殺を我慢するように!医者生命かけて、これだけは言えます。うつは必ず良くなりますから。昔みたいにちゃんと仕事できるようになりますから!

抗うつ剤(リフレックス)は1/2錠から1錠に増やされ、抗不安薬はデパスに加えて、メイラックスを処方されました。

 

自殺しないよう監視される

私はうつで判断力がほとんど残っていないので、入院と言われても、決めることができません。

私は「判断できない、判断できない。」とひたすらオロオロしていました。

私をフォローしていた母までもが、「判断できない、判断できない。」とオロオロし始め、家に帰って父を交えて相談しました。

私は、待ったなしの状況でした。次の診察までの10日間、持ちこたえることなどできません。

そこで、産後1ケ月のときに受診したAメンタルクリニックにセカンドオピニオンを得ようということになりました。

Aメンタルクリニックへは車で2時間。赤ちゃんの荷物などを大量に持ち運ばなければなりません。

私は、うつで頭がおかしくなっています。「今の自分にそんなことはとてもできない。死ぬこと以外は何もできない。」と、何をやっても無駄だと思い込み、Aメンタルクリニックに行くことも嫌がる有様。

何を提案されても「できない、できない・・・」と繰り返すばかりで、自分では何も決められない、できない状況でした。

両親は「死ぬくらいなら、何でもやってみよう!」と説得して、3日後にAメンタルクリニックの予約を取ってくれました。

Aメンタルクリニックの受付の方も、「自殺の危険性が高いから、3日後まで自殺しないように見ててください!」と言ってくれたようでした。

それから、3日間、私は自殺を図らないように、家の中にいるときも、ベビーカーで散歩に行くときも、母親に見張られていたのでした。

 

夫がやっと危機感を持ってくれた

不安でどうしようもなく、縋るような思いで、いっくん(夫)に何度も電話をかけまくりました。

「メンタルクリニックで入院した方がいいと言われたんだけど、どうしたらいいんだろう。」

いっくんはここでやっと、「入院するほど悪いのか」とびっくりしたようでした。

脳に霧がかかったようで何も考えられなくなってしまっているので、どうしていいのかサッパリ分からず、妙なことも口走りました。

「私は、1分1秒この瞬間も死にたいんだ!いっくん(夫)、仕事やめて一緒にいて!生活保護で生きて行こう!!」

いっくんは静かに「わかった。」と答えました。

それまで「死にたい」と訴えても本気にしてくれず、「頭が重い、テレビが見れない。」と言っても、「テレビなんて見なくていいから、しっかり休んで。」と答えるだけで、危機感を感じていなかった夫が、ここでやっと分かってくれたのだと、とても安心したことを覚えています。

私はうつの辛さが外見に現われず、家事や育児などをこれまで通り普通にやれているように見えてしまっていました。

ここに来て、精神科医が「入院するほど切迫した状況なのだ。」と言っている。それでいっくんは、私の病気がどれほど深刻なものかを理解したようでした。

 

セカンドオピニオンでも「入院すべき」

産後109日、私、両親、大ちゃん(息子)の4人は、実家のある田舎から、2時間かけてアパートに大移動しました。

赤ちゃん用品をすべて車に積み込んでの大移動でした。

アパートでは、いっくんが待っていてくれて、Aメンタルクリニックには、母と夫と3人で行きました。

Aメンタルクリニックで、画像のメモを見せて私は言いました。

「私は普通に見えるかもしれませんが、本当におかしいんです。」

先生は「あなた、普通に見えませんよ。産褥期のうつ病だね!入院すべきです!」とバッサリ。

産後1ケ月で初めて受診したときは、「あなたのうつ状態はそれほど強くない。育児が苦手なだけよ。」と言われてしまったのに・・・。(そのときの話は、産後1ケ月にAメンタルクリニックを受診したときの話をどうぞ。)

そして、「うつ病専門病棟」なる病院を紹介されたのでした。

 

⇒ つぎの記事  産後うつで精神科に入院するメリット・デメリット

 

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