こんにちは、ミィです。産後うつ病の症状を振り返るシリーズ第6回。今回もシリアスな内容になっていますが、どうぞお付き合いください。
目次
産後1ケ月から、我が子に得も言われぬ恐怖を感じた
産後1カ月頃から、我が子が怖いと感じるようになりました。
夫には「大ちゃん(息子)が怖い。」と訴えましたが、「泣きわめくのが怖いと言ってるんだろう。」と思ったようです。
ここで言う「怖い」とは、もっと深刻な恐怖です。
産後1ヶ月半頃の記録にはこう書いてあります。
赤ん坊とふたりきりになると不安感、気が張り詰める。体の中がぞくぞくするような感じがする。
背中とお腹の中がぞわぞわ、ぞくぞくしている感じ。
泣き声が断末魔のような大きな泣き声で、ものすごく怖くて慣れない。
我が子が寝ているときは、何も出来ずに大汗をかきながら、ただ部屋の中をぐるぐる歩き回っていることもありました。
体の中からゾワゾワと湧き出るような、猛烈な恐怖・・・特に昼間密室で二人きりになるときが狂いそうでした。
これほどの恐怖は、うつ病ではないときには感じたことがありません。
筆舌に尽くしがたい恐怖心を我が子に対して感じていました。
我が子が怖くて育児が苦痛でたまらなかった
我が子に対する恐怖心は軽くなるどころか、日ごとに増して行きました。
泣き声は耳をつんざくような恐ろしい叫びに聞こえました。
産後3カ月の赤ちゃんは、喃語といって、 「アーアー、ウーウー」と声を出すようになりますが、それさえも頭が割れるようにうるさく感じました。
「アーアー」と声を上げながら体をよじる大ちゃんを見て、
「私はこんなに意味不明な生き物を産んでしまった。まるで精神病者だ。」と本気で思いました。(精神病者は母親である私でした。)
あまりにも恐ろしく、母親が一緒にいてくれるときは、ミルクやオムツ、沐浴など最低限のことを死ぬ気でこなし、出来る限り我が子に近寄らないようにしていました。
自分が異常な母親だから育児ができないと思っていた
母親である私が、我が子にこれほどのを恐怖を感じているとは、恥ずかしくて人には言えませんでした。
「育児は母親ならみんなやっていることなのに、どうして私はできないんだろう?」
他の普通のお母さんたちが当たり前のように育児をしているのが不思議でたまりませんでした。
「自分は異常な母親だから、育児ができないんだ」と、すべて自分の人格のせいだと思っていました。
「育てられないのなら、産まなければよかった。」
来る日も来る日も、出産したことを後悔し、自分を責め続けました。
どんなに考えても、子どもを産んでしまった事実は消えることなく、最後にはこう思うのです。
「もう八方ふさがりだ。母親は私しかいないのだから、この辛さから逃げるには死ぬしかない。」
精神科に入院中も絶望していた
私は、我が子恐怖症に産後6か月まで苦しみました。
産後3カ月からの3カ月間は、精神科に入院していたので、我が子と直接接することはありませんでしたが、我が子の話が出るだけで恐怖で下痢をしたり、頭痛がするありさまでした。
「私は我が子が怖い人なんだから、これから先、二人きりで過ごすことは出来ない。」
普通のお母さんみたいに、我が子のお世話をしたり、笑ったりすることが途方もなく難しいことに感じました。
我が子が怖くて二人きりになれないなんて、聞いたこともないし、家族にも、誰にも理解されませんでしたから。
我が子恐怖症は、産後うつ病の症状
私は、ずっと我が子が怖いなんて、自分だけだろうと思っていました。
ところが、産後うつ病になる方は、同じように思う方がいるようです。
こちらの産後うつを経験された方のブログが全く同じなので、引用させていただきます。
我が子への恐怖心がほぼ同じです。
よく、産後うつについて調べると、症状のひとつに「赤ちゃんをかわいいと思えない」などと書いてありますが、 私の場合は、そんな生易しいものではありませんでした。 授乳時だけだった動悸は、「娘が泣き出すたび」になり、「娘を見るたび」になり、「娘のことを思うたび」になりました。 娘の姿が目に入ると、心臓が跳ね上がって、汗が滲み出すようになりました。
我が子を避けるようにするのも同じです。
私と娘の二人きりで居る時は、私は、娘を避けるように過ごしていました。ミルクとオムツを替える以外は、娘を見ないようにしていました。
心理状態も痛いほどに分かります。
実際、何度も「子どもを産んだという事実は消せない。」「今後一生、この子が居る。」 「出産前の状況には戻れない。」「この状況を変えるには、私が死ぬかこの子が死ぬかしかない。」などというようなことを、ぐるぐるぐるぐる、頭の中で考えていました。
なんで、こんなに自分の子どもが怖いのか。 普通、産後うつで、こんな、子どもが怖いなんていう状況になるのだろうか。 私は、人と違って、特別に「母」に向いていない性格なのかもしれない。そういえば、昔から「お母さんごっこ」なんて興味なかった、年下の子の面倒見もよくなかった。 身体が勝手に拒絶反応をしているのかもしれない。そしたら、もう一生治らないで、この子が居る限り、ずっとこの苦しい身体と精神のままかもしれない。でも、この子と離れて暮らすことはできない。どうやったら、怖いと思わずにこの子の世話ができるのか、ペットだと割り切ってみようか、ミルクとオムツ替えを機械的にこなすだけ、とひらきなおればいいのか、そんなことまで考えました。
母親なら、なにも考えないで無条件に我が子を愛せるものなのに、私はなぜ、これは、産後うつじゃない、適応障害みたいなものなのかもしれない、そんなことばっかり毎日毎日、真剣に悩みました。
このブログ記事を読んだとき、私は心底救われました。
我が子が怖いのは私だけじゃなかったんだ・・・!
我が子恐怖症は、私が母親失格だからではなく、産後うつ病特有の症状だったのか・・・!!
(このブログ主様が、我が子が怖い症状を「我が子恐怖症」と名付けてくださったので、私もブログで使わせていただいています。)
そう、我が子が怖いのは、母親の人格の問題ではない、うつ病がそう思わせているだけでした。
うつ病が治れば、我が子が怖い気持ちは消えるのです。
我が子への愛情と絆は取り戻せる
私の場合は、産後6か月頃からは、我が子が可愛くてたまりません。
「アーアー」という喃語も、なんてかわいい天使の声だ!と思うほどです。
我が子ほどのかわいい赤ちゃんは見たことがありません。(今の私は「我が子溺愛症」です。)
今は、普通のお母さんみたいに、我が子とふたりでスーパーに行き、子育て支援センターで遊び、ご飯を食べさせ、楽しく子育てをしています。
産後うつ病だったときには想像すらできなかった、明るく楽しい日々があります。
私など、3ヶ月も精神科に入院し、その間は育児をしていないのに、大ちゃんは何の影響もなく、すくすくと成長していますよ。
我が子を産んで、本当に、本当によかった。
この苦しかった日々は、この記事を書きながらも涙が出ます。
同じ苦しみを抱えているお母さんに伝わればいいな、と思います。
⇒ つぎの記事 産後うつ病の症状7 凄まじい不安感と焦燥感。