こんにちは、ミィです。
「産後うつ」のリアルを知ってほしい!
今回は、読者の方の産後うつ体験記をご紹介します。
記事を書いていただいたのは、マリえもんさんです。マリえもんさんは、切迫早産や産後のうつ発症、入院生活を経て、寛解に至っています。
それではどうぞ。
マリえもんさん(うつ病)の体験記
Ⅰ 診断名
うつ病
Ⅱ 服薬した薬
【退院するまで・分かる範囲で】
・クラシエ加味遙散料エキス細粒
・ロラゼパム錠
・ラコール経腸用液
【退院後】
・ジプレキサザイディス錠
・レクサプロ錠
【現在】
・ジェイゾロフト錠
・リスペリドンOD錠
Ⅲ 症状
① 自殺願望
実行はしませんでしたが、とにかく死にたくて…。
家族宛ての遺書を頭の中で考えたり。
生きているのが本気で辛くてしんどくて。
「脳梗塞、心筋梗塞、心臓発作を起こして下さい!!」
② 我が子恐怖症
日に日に…「子供とどう向き合えばいいんだろう?」
産後1ケ月はあんなに可愛いと感じていたのに、
そしてある日を境に、子供が怖くて仕方ない、
一切子供に触れられなくなり、ミルクもあげられない、
我が子が泣いていても
≪あぁ、何か赤ちゃんが泣いてるな≫
と、第三者的な感覚。
その頃は実家で世話になっていた為、
③ 食欲不振
一日中グズって泣いてばかりいる子供の世話に疲れ、
食べても美味しいと感じず、飲み込んでも喉につっかえる感じ。
食べられない、水分も摂れない状態になり。
④ 倦怠感、無気力症
体がだるくて、一日中横になっている状態。
何の気力も湧かず、気分転換も考えられないので、
家族がたまに様子を見に部屋へ来てくれると、
「自分で自分が分からない!どうすればいいの!?」
と、泣き付く私。
⑤ 不眠
妊娠前はあんなに寝られていた私なのに。眠っても眠りが浅く、
たまに、眠りから覚めてどうしようもなく不安になり、
⑥ 不安感
どうでもいい、些細な事が気になり一人で
≪どうしよう、どうしよう…≫
と、不安に思っていました。
例えば、、、
部屋の壁掛け時計。
≪電池が切れたらどうしよう… どうやって電池を交換すればいいんだろう… 止まったら時間が分からなくなってしまう… どうしよう!どうしよう!!≫
と、いった具合。
Ⅳ 原因
① 沢山の変化
振り返ると、2015年は目まぐるしく色々な事がありました。
2月→ 初めての妊娠発覚。
3月→ けい留流産。結婚を決める。
5月→ 旦那が先に新居へ引っ越し。2度目の妊娠発覚。
6月→ 結婚式&披露宴。
7月→ 入籍。
8月→ 重いつわりから漸く開放され、実家暮らしから新居へ引っ越し。
11月→ (初旬)切迫早産の可能性が出る。家事は一切禁止、
→ (下旬)前期破水し、総合病院へ緊急入院。
12月→ 切迫早産。入院したまま、予定日より1ケ月以上早く出産。
今思うと…
② 体力不足
重いつわりで安定期に入っても、
切迫早産の可能性が出て、
出産&育児は体力勝負なのに、
③ 育児ノートの記入
母乳の出が悪く、産後1ケ月ほどで完全ミルクに切り替えた私。
初めは、ミルクをあげた時間を忘れない為に【
でも、いつからか…ミルクをあげている最中でも、
「忘れないようノートに書かなきゃ!!」と。
事細かにノートに記入して、
記入がストレスだけどやめられない…みたいな。
楽しく気楽にノートを活用出来ていれば良かったのに、、、
④ ホルモンバランスの乱れ
妊娠前、それなりに体毛の濃かった私。それが、
それだけ、ホルモンバランスが変化している証拠だったんですね。
⑤ 一日中、グズり続ける我が子
里帰り出産して、
泣いたり、時間が来ればミルクをあげて。満たされれば、
けれど、里帰りを終え実家から自宅へ帰ったとたん…あやしても、
グズってばかりで出掛けられないし、
理想と現実のギャップに落胆していきました。
≪育児って楽しいものじゃないの?私、毎日、
そして、段々自分の身の回りの事が出来なくなり始めて。着替え、
そして、食べられない為に思考能力が落ち、寝ている子供を 「ぼーっ」 と眺めて数時間経っていた…何て事もしばしば。
⑥ 市の赤ちゃん訪問
産後2ケ月頃。自宅へ保健師さんが赤ちゃん訪問に来ました。
ミルクをあげる量を悩んでいた私は小児科の先生に何度か相談して
先生は「身長も体重も順調に増えているから問題無いよ。
そんな中での赤ちゃん訪問でした。
母子手帳を見て、何やら計算している様子の保健師さん。そして
「一日の体重増加の割合が平均値よりはるかに多いよ。
試行錯誤しながら、自宅で何とか育児していた私ですが、
そして、翌日以降一切育児が出来ない状態に。
保健師さんは良かれと思いアドバイスしてくれたんでしょうが、
保健師さんの帰り際、産後うつに関するアンケートを記入。
≪無意味なアンケートだなぁ≫
と、感じたのを覚えています。
Ⅴ 治療過程
【産後2ケ月】
家事や育児に協力的な旦那さんに、その都度、
しかし、市の赤ちゃん訪問翌日の夜中、
「私、おかしいの!育児をどうしたらいいのか分からない!
と、思いの丈を全て泣きながら話しました。
旦那さんは
「気付いてあげられず、本当にごめん。明日、
と、泣いて話を聞いてくれ。
その夜は自分が授乳するからと、私を朝まで寝かしてくれました。
翌朝、心も体もボロボロの私は抱えられながら、
食前の漢方薬、夕飯後の安定剤、
その日から、子供と私は実家で世話になる事になり、
【産後3ケ月】
実家で静養するも、一向に良くなる気配無し。
そんな中、3週間程して、子供の3ケ月健診がありました。
何とか気力を振り絞り、旦那さんや両親と一緒に健診の為、
健診後、私は気付かなかったんですが…
数日経たない内に、病院の看護師さんより電話が掛かって来る。
「先生から元気がないと聞いたんですが、大丈夫?
今はどんな状況?
良かったら…入院を考えませんか?」と。
最悪な体調にも関わらず、自分が”産後うつ”
その時は”産後うつ”
心療内科では
「育児に疲れちゃったんだね。」
とだけ、言われていたのもあります。
なので、「入院」と言う言葉を言われ、
≪入院って何!?何で私が入院するの?意味不明だよ。≫
と、正直思いました。
自分がどうしたいのか、どうすればいいのか…
その後、両親と精神科を受診し。うつ病との診断。
自殺願望が強かった為、医療保護と言う形で両親の合意の元、
色々と持ち込みに制約のある閉鎖病棟。そして、
主治医には
「今は脳の機能が低下している状態。薬が効いてくるまでは、
効果が現れれば、必ず良くなるから!
今は何もやる気がしないし、出来ないだろうけど、その内、
兎に角、今は何もしないで体を休めなさい。」
と、言われていました。
毎日、ほんの少し食べられる物を無理して食べて。
毎日、
「帰りたい、帰りたい。」
と、泣き付いてばかりの私。
≪薬なんて効く訳がない!!この先、私はどうなるんだろう…≫
と、お先真っ暗で絶望していました。
相変わらず、子供が怖くて。毎日、
“こんな母親で可哀想”とは思っていましたが、
ただ、迷惑や心配、
【産後4ケ月・入院1ケ月】
ほんのたまに、
そんな時は、病室から出てベンチで窓の外を眺めたり、
ある夜、ふっと
≪久々に新聞を読んでみようかな≫
と、言う気持ちが沸いて。数ヵ月ぶりに新聞を開きました。
“ケンタッキー”の広告が目に止まって
「あぁ、食べたいな」
と、感じたんです。
“何かを食べたい”
なんて、、、数ヵ月ぶりの感覚で。
本当に本当に、嬉しかったのを覚えています。
漸く、薬の効果が現れ始めたようで、
【産後5ケ月・入院2ケ月】
携帯の持ち込みok、外泊の許可、外出の許可と、
毎食後の薬も朝が無くなり、昼が無くなり。
作業療法に積極的に参加したり、患者仲間と楽しくお喋りしたり。
気分のムラもなく、順調に回復しました。
子供にも笑顔で接する事が出来るまでになり、
≪入院してないで、早く子供と一緒に居たい♪≫
と、思い始めた為、入院2ケ月で主治医に退院を申し入れました。
すんなり許可が出て無事退院。
【産後6~7ケ月・退院後】
子供と私は実家で世話になる。気分が落ち込む事も一度もなく、
入院時から飲み続けていた眠剤を止め、
【産後8~9ケ月・現在】
子供と自宅へ戻り、旦那さんと家族3人の生活へ。
念の為、まだ薬は服用中。その内、服用を一日置きにしたり、
Ⅵ 回復する為には?
・ 早期発見が大切
誰にでもいいから、無理して抱え込まずにSOSを出す。必ず、
・ 辛い選択かも知れませんが、子供と離れ、先ず自分が元気になる
母親が元気でなくては育児も出来ません。
・ 出来ない事は出来ないと認め、周りに頼る
私は子供の爪切りが怖くて…今だに一度もした事がなく、
≪完璧主義はやめて、出来ない事があってもいい≫
と、家族に教えて貰いました。
・ 病気に対する家族の理解が大事
家族の理解無くして、病気の寛解はないように思います。
入院中、姉が
【家族みんな つくつく と同じ気持ちでいるから。一人じゃないよ、一緒に乗り越えよう】
と、言ってくれた言葉。
とてもとても、心強かったです。
Ⅶ 最後に、うつママさんへのメッセージ!
若い頃から、
けれど、いざ母親になってみると、、、
理想と現実は全く違い、
テレビで言っていましたが、
だから、一人で育てる何て到底無理なんだと。
なので、無理に一人で抱え込まずに、
それと、小児科の先生にも精神科の主治医にも言われましたが、
“産後うつ”は必ず治る病気だと。
育児が出来なくても、子供に愛情が沸かなくても、
元気になれば、嘘みたいに我が子が愛しく感じられますよ。
今は本当に辛くてしんどいママ達でしょうが…
私の体験談が少しでも参考になれば、
“産後うつ”で苦しむママ達が少しでも減りますように、、、。
ミィのコメント
妊娠出産は、女性の人生で一番大きなライフイベント。
妊娠、結婚、切迫早産と、立て続けにいろいろなことが起きたら、心と体がついていかないのもよく分かります。
そんな中で、子どもと一度離れて療養に専念するという選択ができたことが、回復を助けたんですね。
強く共感したのは、「産後うつは治る。元気になれば、嘘みたいに我が子が可愛く感じられる。」という部分です。
我が子への愛情を奪っているのは、鬱という病気のせい。私自身の経験や、他の読者の方の体験談から、そう確信してます。
マリえもんさん、本当に貴重な体験記をお送りくださり、ありがとうございました!当ブログを読んでいただいている方の心に響くと思います。
産後うつ体験記、新規募集を終了のお知らせ
読者様からの体験記も8回目です。多くの方にご協力いただき、本当にありがとうございました。
新たな体験記の募集は終了します。今後のの掲載は、すでにご連絡をいただいた方のみとさせていただきます。
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ブログはたまに更新しますので、よろしくお願いします!
【ブログが本になりました】
ミィの体験記のほか、精神科医のアドバイス、産後うつチェックリストが載っています。