こんにちは、ミィです。私は第一子を出産後に、「産後のうつ病」と診断され、産後3カ月から精神科に入院しました。
ところが、入院生活も2カ月を過ぎた頃、私は突然、うつ状態から躁状態になってしまいました。
産後6カ月で退院した後は、診断名が「双極性障害」に変わりました。
双極性障害とは
「双極性障害」という言葉は、聞いたことがない方もいらっしゃるかと思います。
昔は、「躁うつ病」と言われていた病気で、うつだけでなく、躁というハイテンションな状態もあり、うつ状態と躁状態を繰り返します。
うつ状態のみの「うつ病」と、うつ状態と躁状態がある「双極性障害」は、別の疾患であり、治療薬も異なります。
双極性障害には、1型と2型があります。
躁状態が入院するほど思い場合、1型。躁状態がそれほど重くない場合、2型と診断されるようです。
ちなみに、私の躁状態はそれほど重くないので、「双極性障害2型」という診断をされています。
双極性障害についてはこちらのサイトが分かりやすいので、参考に見てみてください。
軽躁状態の症状のまとめ
双極性障害になってしまった私は、うつと躁の症状、どちらも体験しました。
うつの症状は、産後うつ症状のまとめをご覧ください。
躁転してしまった後は、辛く苦しい地獄のようなうつ状態から一転、このような症状が現れました。
気分が最高にいい!
あるとき、霧が晴れたかのように目の前が明るくなり、何も悩みがなくなりました。私は、「うつの苦しいから生還して、世界が輝きだした。人生は大冒険だ。」と思っていました。
幸せで、希望に満ちあふれ、楽しく、自分には何でもできるような気がしました。お酒を飲んで楽しくなった気分のときと似ていて、何もかもが愉快でした。
あまりにも楽しい気分なので、病院の自分の部屋の中で音楽をかけながら、看護師さん相手に楽しくおしゃべりし、 看護婦さんに感謝の言葉をかけたり、褒めちぎったりしました。
「とにかく明るいミィさん」でした。とまぁ、こんな風にギャグを連発していました。
すごい意欲がある!
やる気と活力が満ち溢れ、あれもしよう、これもしようと、やりたいことが沢山でした。
朝の6時に起きて全力で排水溝の掃除をしたり、一日に本を一冊読んだり、離乳食作りも毎日新しいお野菜を試したり、アクティブに過ごしました。
ただし、これはバブルのような偽物の元気なので、すぐに疲れてしまいます。
心臓発作を起こして救急車で運ばれたり、何度も風邪を引いたりして、困ったものでした。
アイディアがあふれてくる!
いつもより頭が冴えている感じがして、いろいろなアイディアが浮かんできました。
このブログのアイディアも軽躁状態のときに考えたものです。毎日漫画をたくさん書きためました。
やる気も高まっているため、突然、「政治家になりたい」「大学院に行って博士になりたい」「本を出版したい」「起業したい」などと、夫に言っていました。
実際、大学院のパンフレットを取り寄せたり、本を出版するための方法を友だちに聞いたり、行動にも移しました。
しゃべりまくる!
もともとおしゃべりな方ではありますが、普段の倍、多弁になりました。
主治医の診察では、1時間以上も凄い勢いでペラペラしゃべりまくり、途中で制止されるほどでした。
入院仲間と3時間以上もお話ししても飽き足らず、毎晩いろいろな友だちに電話をかけてはしゃべりまくりました。
話す内容は明るく楽しい話で、自殺未遂の話なども明るくネタにしていました。話し方もとにかく明るく、勢いがあり、相手が飲まれるような話し方でした。
友だちからは「めちゃ明るい」「面白い」「すごい勢い」「ミィが講演会で語ったらみんなが救われる」などと言われていました。
躁状態が進んで来ると、本来人見知りな私が、知らない店員さんにも話しかけるようになりました。
自信過剰になる!
躁状態になると「自分が偉くなったような気がする」と言いますが、そんな感じです。
「自分には特別なことが出来る気がする」「仕事で成功して有名になりたい」と思うようになりました。
さらに、保健師さんが訪問してくださったときに、しゃべりまくり、自分や夫のことを自慢するようにペラペラしゃべってしまいました。
普段の私は謙虚な方なはずなのに(本当です)、自慢げな態度を取ったことが今では恥ずかしいです。
睡眠時間が短くなる!
うつのときは薬を飲んでたので、一日に12時間も眠る生活をしていました。
ところが、躁になったとたんにお昼寝ができなくなり、夜中に何度か起きてしまうようになりました。明け方の4時に起きてしまい、再入眠することもできないときもありました。
攻撃的になる!
元々の性格は、おっとりしていてそんなに怒ったりしません。
ところが、とても攻撃的になったというか、それまでになかったような怒り方をするようになりました。
夫を捕まえて、一方的にまくしたてるように怒り狂ったり、実家の両親に対しても攻撃的になり、ケンカをしました。
ただし、言っていることは支離滅裂ではなく、筋が通っているため、一見まともに見えます。
頭のキレもよく、いろいろなアイディアが閃くので、白熱したディベートでもすれば、活かせそうです。
★その他
・自分が躁であるという自覚が全くないため、周りから「躁なのではないか?」と言われても、「躁ですね」と冗談で返したり、「そんなわけない」と怒り出したりしていました。
・髪の毛を染めてパーマをかけたり、イメ
チェンしました。
・うつ状態から躁状態に変わったのがいつかは、ハッキリ分かりません。ただ、我が子が可愛いと感じてから一気にテンションが上がっていった気がします。
躁状態の何が問題なのか
躁状態になっても、別に本人は困っていないし、楽しそうだし、そのままでいいじゃないかと思われるでしょう。
ところが、ダメなんです。理由は三つです。
①躁状態はバブルのようなもので、躁状態の後にはうつになってしまう。
調子が良くて楽しいのは一時のまやかしです。躁になったあとは、うつになり、躁とうつを何度も繰り返してしまいます。
②本人は楽しいが、家族が困る。
元々はおっとりしていた私が、突然怒りっぽくなったり、自信満々になったりして、家族は困っていました。やる気があるとはいえ、本来やるべきこと(私の場合は家事と育児)よりも、やりたいことを優先し、完全な空回り状態でした。救急車で運ばれたり、体調不良になったりしたことも、夫にはとても迷惑をかけてしまいました。
③社会的信用を失う。
私は仕事をしていなかったので、家族に迷惑をかけただけで済みましたが、もし働いていたら恐ろしいものがあります。上司に喧嘩を吹っ掛けたり、やる気だけが先走って出来もしない約束をしたりすることもあるらしいです。
私の躁状態がどうやって治まったかと言えば、気分安定薬・デパゲンを服薬し始めたからです。
精神科医・加藤忠史著「双極性障害ー躁うつ病への対処と治療ー」によれば、双極性障害は脳の病気なので、薬物療法が必要だということです。
双極性障害の治療は薬物療法がひとつの柱であり、もうひとつの柱が広い意味での精神療法です。精神療法というと、精神分析とか、カウンセリング、そして「心」といった言葉が頭に浮かぶかもしれません。しかし、双極性障害は、いわゆるカウンセリング、精神分析だけで治るということはありません。
双極性障害は、精神疾患の中でも、脳や遺伝子といった身体的側面が最も強い疾病であり、「心の病気」ではありません。
次回からは、私がいかにして躁になったのか?どうやって発見され、寛解していったのか?を書いていきたいと思います。