こんにちは、ミィです。私は、第一子を出産後に、双極性障害を発症しました。
最初は、不眠や希死念慮といった、うつの症状が現れていたため、「産褥期のうつ病」との診断でした。精神科に入院し、治療を開始したところ、2カ月後に躁転。後に、双極性障害であることが分かりました。
さて、今回は、私が初めて躁転を疑われたときのことについて書いていきます。
軽躁のとき「別人になった」と言われた。
産後5カ月で軽躁状態になってしまった私は、友だちに電話をかけまくったり、ギャグを連発したり、陽気な言動が多くなりました。(軽躁のときの行動8個)
このころの私は、入院仲間に「別人になった」と言われるようになります。
うつ状態のときは暗くて育児の悩みばかり話していたのに、あるときとつぜん悪い憑き物が落ちたように、明るくなったのですから、別人のように見えたのかもしれません。
そのときのツイートがこれです。
今日はなぜか、憑き物が取れたように、全ての恨みが剥がれ落ちて、全てを許したい、感謝したい気持ちになれたんだ。気づけば、今日は、息子のハーフバースデー。
— ミィ (@sangoutsu) 2015, 1月 15
さらに、無くしていた意欲も高まりました。当時の日記に、こう書いてあります。
入院71日目(産後5カ月)
産後うつ体験を生かして、本を出したい!とかポジティブな方向に大暴走してしまった。ヨガの時間も、私は、育児をライフワークにするんだ!とか、産後うつ経験を生かして仕事をするんだ!という気持ちに燃えていた。
脳内がポジティブスパイラル。楽しい、嬉しい、やってやるぞ!という活力が湧いて来ました。
睡眠時間がいきなり減少。休み方が分からない。
悪いことに、睡眠時間がぐっと少なくなりました。
うつ状態のときは、体もだるく、一日12~14時間以上寝ていたというのに、いきなり6~7時間しか眠らなくなりました。
昼間、主治医の向井先生からは、「疲れてるんだから寝てなさい」と言われるのですが、お昼寝の仕方を忘れたというか。
寝ようとしても、頭が休まらない。うまく休めずに、ミサンガをやってみようとしても、なぜかうまくできないで、友だちに電話をかけてしまう。
ゆっくり休んでいることができずに、病院の共用スペースをふらついて話し相手を探したり、何かやろうとしてしまって、落ち着きませんでした。
夜も何度も目覚めて、朝5時とか6時に起きるようになってしまいました。
それでも、私はトータルの睡眠時間は足りているし、うつが良くなると眠れなくなるものなんだと前向きに解釈していました。
診察でしゃべりまくる。
向井先生の診察のときに、私はすごい勢いでしゃべりまくるようになりました。
「あるとき突然、霧が晴れたように目の前が明るくなったんです!うつ病になってよかったです!面白いネタが増えたし、両親への感謝の気持ちが持てたんで!」
私は話をたくさん聞いてほしくなり、自分の母性が目覚めた話を始めました。
「おじいちゃん(義父)が息子をかわいがってくれて、『嬉しいけど、私が産んだ子を返して』という気持ちが湧いたんです。察したおじいちゃんが『ママに戻すね』と言って、返してくれて。私はこのときの気持ちを、母性と呼んでいいと思う!私は母親になったことでいいんだと思う!私、産後うつになって地の底まで落ちていた自信を取り戻したんですよ!!」
私が早口になっていたのか、話の展開がいろんなところに飛んでいたのか、向井先生は「今、何の話してるんだっけ?」などと聞いてきました。
私は、敬語も忘れ、「だから!私の母性が目覚めた話をしてるの!それで・・・」と話し続けました。
ところが、向井先生はとつぜん、
「あなたという人が分からなくなって来た。」
と言うのです。
「ちょっと調子が良すぎる。あなた寝てる?食べてる?」
「寝てるし、食べてます。」
「眠れて、食べられて、話の内容もまとまってるし、大丈夫でしょう。」
診察はそれで終わりました。
躁転を疑われるが、もともとの性格だと思う。
私は、部屋に戻ってから、ハッとしました。もしや、躁転を疑われたのではなかろうか?
私は、ショックのあまり、ナースステーションに戻り、向井先生に訴えました。
「先生、私のこと双極性障害だと疑ってますよね。不安です。」
「疑いましたけど、違うと思います。大丈夫です。」
そのとき、向井先生は、疑いだけで断定はしませんでした。
「私は、嘘をついてません!」
私は、躁状態とは、嘘やありもしないことを並べて、支離滅裂なことを言うものとばかり思っていたので、腹が立ったような気持ちになりました。
向井先生は「あなたを嘘つきだと思ったことないよ。」とフォローしてくれましたが、私は躁転を疑われたことがショックでした。
私が躁状態になってるのではと心配されているらしい。でも、躁じゃない。もともとそういう性格。
— ミィ (@sangoutsu) 2015, 1月 16
私は、自分は躁ではなく、性格だと思っていたんです。
とはいえ、このへん判断がすごく難しいですね。
たしかに、私は、もともと「パワフル」と言われることもあるし、気分の浮き沈みが激しい性格でもあります。
ハッキリしたのはこの2カ月後、私の躁状態が少し重くなり、ハッピーな気分から一転、イライラ攻撃モードになってからなのでした。つづく。
この本を一冊読めば、双極性障害という病気の症状、お薬、治療法などが全部分かります。