⑱ 退院から寛解まで

人に頼る育児(実践編)一時保育とファミリーサポートを利用した。

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こんにちは、ミィです。私は、第一子を出産後に、双極性障害を発症しました。

産後まもなく、不眠や希死念慮といった、うつの症状が現れ、産後3カ月から精神科に入院しました。治療を開始したところ、今度は躁転。軽躁状態のまま、産後6カ月で病院を退院することになりました。

今回は、退院したばかりの私が、どうやって育児をしていたのかについて書いていきます。

 

退院後、行政の支援を受けることに。

私は、3か月間も入院し、寝たり起きたりの生活をしていたので、体力は10分の1以下に落ちていました。

にも関わらず、軽躁状態なので、やる気だけは満々。

退院後、すぐに全力疾走して倒れて救急搬送というありさま。

このときは、一週間に一回は通院しなければならず、一人で家事と育児を回すことは到底無理でした。

ここで、私は、入院中の主治医・向井先生の言葉を実践していくことにしました。

「育児で一番大事なことは、お母さんの心が安定していること。人に頼って育児をすればいい。」

 

私が退院したのは、2月。4月からは保育園に正式に入園することになっていましたが、それまでの2カ月間は、何とか頑張らなければなりません。どうやって乗り切ったのかといえば、やはり、行政の力を借りました。

具体的に利用したのはこの二つのサービスです。

・保育園の一時保育

・ファミリーサポート

 

保育園の一時保育はメリットだらけ。

私の住んでいる市では、病気が理由で、月に15日まで、保育園に子どもを預けられる「一時保育」という制度があります。

私は、向井先生に診断書を書いてもらい、家から徒歩15分ほどの公立保育園に一時保育の申し込みをしました。

一時保育を利用したことは、私にとっても、大ちゃんにとっても、大きなメリットがあったと思います。

私にとっては、メンタルクリニックに通う時間を確保できましたし、保育園に預けている間(朝8時半から4時半まで)家事をしたり、お昼寝をしたり、本を読んだりして、ゆっくり休むことができました。

当時6カ月の大ちゃんは、担当の保育士さんに、本当に可愛がってもらっていました。

さみしがって泣くこともなく、お迎えに行くと、一番小さな大ちゃんは、いつも他の子どもたちに囲まれてニコニコしていました。

離乳食も、栄養士さんに教えてもらいながら、安心して進めることができ、生活リズムが整って夜泣きがなくなりました。

最初は、保育園に預けることに罪悪感がありましたが、私と二人でいるよりも、たくさんの大人に可愛がられ、いろいろな経験をさせてあげることができて、大正解だと思いましたね。

デメリットといえば、大ちゃんがたくさん風邪をひいてしまうことでしょうか。

ファミリーサポートは、困ったときの駆け込み寺として利用。

私は、退院した翌月は、月に9回も病院に行っています。いくらなんでも多いですよね。

大ちゃんが保育園でもらってきた風邪がうつってしまい、より酷い風邪になるパターンで、何度も熱を出しました。

そんなときは、保育園の送り迎えもしんどく、保育園がお休みの日は、一日中大ちゃんの面倒を見るのは無理でした。

どうしていたかというと、「ファミリーサポート」という制度を使っていました。

ファミリーサポートとは、一般の方が提供会員となって、育児を手伝ってくれる制度です。

ファミリーサポートセンターは、市から委託を受けた組織が運営しているので、行政のお墨付きという安心感もあります。

保育園がお休みの日に、私の具合が悪くなってしまった場合は、提供会員さんのご自宅で大ちゃんを預かってもらっていました。

私の担当の提供会員さんは、なんと、元・保育士。テキパキしていて、完璧に保育してくれるだけでなく、

「私は、お母さん達の駆け込み寺だと思ってるんで、困ったときにはいつでも言ってね。」

と声をかけてくれるような優しい方でした。

提供会員さんの都合が合わないときは、ファミリーサポートセンターの事務の方までが、保育園にお迎えをしてくれたり、急きょ自宅で預かってくれることもありました。

ファミリーサポートセンターに行くと、事務の方たちが、「大ちゃん、大きくなったね!」と声をかけてくれるなど、本当に良くしていただきました。

まさに、地域の駆け込み寺として利用させてもらいましたね。

心が安定する育児は人それぞれ。一人でやらずに、人に頼って育児しよう。

私は、行政の力を借りることで、実家や義理の実家の助けを借りることなく、家事と育児、療養生活を両立させることができました。

私にとっては、行政の支援を受けるのが、一番、精神的負担が少なかったので、それでよかったと思います。

なぜなら、私は、家族に心おきなく甘えることが苦手なんです。どうしても手伝ってもらうことが申し訳なくなり、「自分が頑張らないと」と思って、ゆっくり休むことができません。

それならば、大ちゃんと物理的に離れて、自分の休む時間を確保することが、心の安定につながると思いました。

人によっては、行政の支援を受けるより、家族に助けてもらう方が気を遣わなくて済むからいいと思う方もいるかもしれません。子どもと離れたくないという方もいるかもしれません。感じ方は人それぞれですからね。

いずれにせよ、育児をひとりで抱え込まないこと・人に頼ることが大事だと思います。私は、出産後すぐの頃は、「母親なんだから、自分が育児をしなければならない。」と強く思っていましたが、それは自分の奢りのようなものであったと思います。私が大ちゃんと一緒にいない間も、大ちゃんはいろいろな大人に可愛がられ、すくすくと成長していました。

逆に、私の方が、「人に頼ること」を学ばせてもらった気がしているのです。

⇒ つぎの記事  軽躁状態と診断され、気分安定薬で寛解しました。

 

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