㉑ 読者様の体験記

【読者様の体験記】仕事人間だったから、その場で対応しないといけない育児に脳がついていかなかった。

こんにちは、ミィです。

読者の方からの産後うつ体験記をご紹介します。

今回、寄稿していただきましたのは、なゆさんです。

なゆさんは、現在7か月の赤ちゃんのお母さんです。なゆさんは、出産前はバリバリとお仕事されていたキャリアウーマンでした。

出産にともなう環境の変化やプレッシャーで産後うつになってしまった体験は、とてもリアルです。


93ブログ

なゆさん(うつ病)の体験記


1 診断名

うつ病


2 服薬していたお薬

レクサプロ

ロラゼパム


3 症状



①不安感と焦燥感(そわそわ)


とにかく何をするのも不安でたまりませんでした。
トイレに行くのもお風呂に入るのも、
子供と離れてはいけないんじゃないかって思っていました。

そわそわがひどく、じっとしていられませんでした。


②食欲不振


食欲がなくなるというか、味がわからなくなりました。
だから食べても美味しくない。食べたくなくなる。


③料理ができない


味がわからないから作れないのもありましたが、
いつ作っていいのか何を作っていいのかわからなくなりました。


④スーパーに行けない(嗅覚過敏)


作れないならお惣菜があるでしょ!と言われましたが、
匂いがダメになっていて。
つわりのようにスーパーの匂いで吐き気がして行けませんでした。

⑤不眠と聴覚過敏

疲れてるだから寝なさいと言われても寝れませんでした。
寝ても泣き声が耳元で聞こえるような感じで。
耳栓しても、人の声が頭の中で響きました。
近所の子供の声すらうるさくて頭が痛かったです。


⑥我が子恐怖症


とにかく怖かったです。正直生んだことを後悔しました。
とんでもないことをしてしまったと。

ただ、離れることは考えられませんでした。
離れたいけど離れられない、そんな感じでした。


⑦希死念慮


死を考えていました。
物干し竿を見て首を吊ろうか、手首を切ろうかなど。

⑧涙が止まらない

何をしていても涙が止まらなくなりました。
これがきっかけで病院に行くことになりました。

⑨脳がストップ

悪いことは次々に浮かんでくるのですが、
何かをする手順がまったくわからなくなりました。
母曰くただ一点を見つめてぼーっとしていたそうです。
目が死んでいると言われました。


4 原因

私の場合は、環境の変化と、
お姉ちゃんというプレッシャーだと思います。

正直、出産前はバリバリのキャリアウーマンでした。趣味は仕事。
仕事大好き人間。

30過ぎて結婚はしないだろうと思っていましたが、
旦那と知り合い付き合って3日でプロポーズ、
そのままとんとんとスピード結婚しました。

子宮筋腫で開腹手術の経験もあり、
子供はできにくいと医者に言われていましたが、すぐに妊娠。
この1年で人妻になり妊婦になり母になりました。

帝王切開だったので出産ギリギリまで仕事していたので、
ゆっくりいろんな余韻を楽しむ時間もなく子供が生まれてしまいました。

病院では、
生まれて初めての授乳の時に、特に説明もされず不安になりました。

どうやってどのくらいあげるのか、
飲んでなかったらどうなるのか…
説明なくとりあえず子供に乳首を吸わせて、
なんとなく10分くらいしたら部屋に戻る状態。

説明なくてもできないとダメなんだと思いできない自分を責めまし
た。また、
左が陥没乳首のため余計に吸えず自分の体を責めました。

数日後、やっと看護師に声をかけて教えてもらいましたが、うまく出来
ず。しょうがなく搾乳器を出してくれました。

とりあえず哺乳瓶で母乳を飲む子供を見て少し嬉しくなりましたが
、看護師は「乳首からじゃないと!」みたいな感じでした。

出産が多くなってきたのか、まもなく退院の私は、部屋を移動してほし
いと言われ、産婦人科から少し離れた部屋に移動させられました。

いつもは授乳時間は呼びに来てくれていたのに、
離れたせいか電話でコール。
食事も下げに来ますと言っていたのに来ないなど、
いろんな不安がたまっていって涙が止まらなくなり、こわくなって退
院を早めてもらいました。

実家に帰り、少しホッとしたものの、3時間の授乳の後は搾乳。
搾乳終わってあやしていたらすぐ授乳。

この繰返しで、自分のことをするタイミングがわからなくなりました

いつ寝るの?いつお風呂入れるの?ご飯はいつ作るの?
とわからないことだらけでした。

私には妹がいて、先に結婚・出産を経験。小さい頃から『
お姉ちゃんなんだから』と言われ『お姉ちゃん=
できないといけない』が私の中に出来上がってました。

だから、育児もできて当たり前。できないはずがないとプレッシャーをかけ、家族に『できない』と言えない日々が続きました。


ずっとこんな日々なのかと先を考えすぎて、真っ暗でした。

退院してすぐ、乳腺炎にもなり、高熱を出しました。ふらふらになりながら病院に行って、母乳にこだわりはなかったので、ミルクに切り替えたいと申し出たら、助産師から「母乳が一番よ!」と言われて、マッサージされました。

そのあとも母乳はよく出ましたが、子供が吸えないので、何回かやめたいと申し出て、やっと断乳の仕方を教えてもらいました。

「母乳かミルクかを決めるのは私じゃないの?」と悲しくなりました。


5 産後うつ発症後の経緯

産後2ヶ月くらいから、眠れない・何をしていても涙が出てくる・
音が気になる・食欲不振の症状が出てきて、
死を考えるようになった時に、初めて『できないって言わないと』
と思い、家族に吐き出しました。

1人だと何かしてしまうんじゃないかと思って怖いことなど吐き出
しました。

実母は、最初、「つらいのは当たり前よ!妹もやってきたの見てたでしょ!ホルモンの乱れよ!」と言いました。

お姉ちゃんだから、
母にどうやって甘えていいのかわかりませんでした。お姉ちゃんはできて当たり前なのです。

しかし、旦那が私の行動異常に気付き、病院へ連れていってくれました

産婦人科で泣く私を見た先生は、すぐに精神科に回してくれました。(なゆさんが出産した病院は総合病院。)

精神科では『入院しましょう』と言われましたが、
子供と離れてしまうのも怖く、実母が仕事を休んでサポートするとい
う形で自宅療養となりました。

しかし、最初はできないことを恥じ「お姉ちゃんは自分のことも子供のことも何もできない!」と泣きながら毎日を過ごしていました。

あまりに毎日泣く私を、義母が心配してくれて鍼灸を予約してくれま
した。

私にとっては、精神科の先生より鍼灸の先生によく話を聞いてもらうことが多
く、救って下さった1人です。

不妊治療等を専門としている鍼灸で、先生は『必ずよくなるから!』
と言ってくださいました。

先生は「仕事人間だったから、その場で対応しないといけない育児に脳がついていかなくなっただけ。ルーティーンを失っただけだよ。ルーティーンができてくればあなたは必ず育児を楽しめる」


そう言ってくださり、少し希望が見えた気がしました。

しかし、服用を始めたら、ものすごい睡魔に襲われました。
起きても目覚めは悪い。でも眠い。ひたすら眠い。
頭が重たく気持ち悪い状態でした。

また吐き気もひどく、
体調が悪いけど抱っこしなきゃ、ミルクあげなきゃと自分を追い込み、
やりたいのにできない負のループにはまっていきました。

仕事をきちんとこなさないと嫌だった私にとって、やりたいのにできないのは自分が必要とされていないような感覚で、できないと嫌われてしまう・ダメな奴だと思われてしまうという感情でいっぱいになりました。

そして、必要とされないなら死ぬしかないとばかり考えていました。

追い討ちをかけるように、子供の昼夜逆転がきて、
どうやって休むのかわからなくなりました。

精神科の先生に話しても、鍼灸の先生にも『
休まないとヤバイぞっていう体の信号なんだから、とにかく寝て!
』と言われました。

毎日が必死でした。
1日を過ごすのがこんなに過酷なのかと思いました。

母がどうしても仕事を休めない時は叔母が来てくれたり、
私はまわりにものすごく助けられました。最初は罪悪感しかなく、できない自分を責めました。

ミィさんのblogに出会い、Twitterを始めてから「私だけではなかった」とわかり、
今ある環境に感謝しようと思えるようになってきました。

焦燥感などがなくなってきたのは、
子供の首が座りおんぶができるようになった頃だったと思います。おんぶなら、少しは自分のことができそうな気がしました。

相変わらず食事は作れませんでしたが、
皿洗いなど治りたい一心で出来ることは頑張りました。

頑張っては数日泥のような睡魔に襲われるを繰り返す毎日でした。出来た日とできない日で波が激しかったです。

子供は、
無駄泣きはせず夜もよく寝てくれて手がかからない子でした。(←
と、母が言っていました)

子供にも助けられ、少しずつ毎日のペースができてきました。食事も美味しく感じるようになりました。

産後6か月くらいの頃に、深い眠りにつけるようになってきました。

子供のタイミングをみて、
外に出られるようになってからは支援センターに行って気晴らしが
できるようになりました。

鍼灸の先生が言った、ルーティーンができてきました。

今はこのあたりです。

実家と義実家とマンションが近いこともあり、
毎日助けてもらいながら過ごしています。

私の症状は、体験談を聞くとみなさんよりも軽いと思います。
また、家族環境にも恵まれていると思います。

だから、こんなのを産後うつって言ってもいいのかわかりません。

生理も整ってきたので、
もしかしたら産後うつというより母のいうようにホルモンの乱れだ
ったのかもしれません。

しかし、辛かった。

人生を後悔し、死を考えるなんて思ってもいませんでした。

1日終わっても明日があると落ち込む日々。

今はルーティーンのおかげで感情の波が穏やかになりました。

しかし、まだ油断してはいけないと思い、
なるべく先を考えないように服用と鍼灸を続けながら毎日を淡々と
こなしています。

私はミィさんをはじめ、
みなさんが辛さをわかったくださって本当に救われました。

だから、
少しでもおかしいと思ったらすぐ声に出していただきたいです。

そして、
助けてくれた家族やみなさんには少しずつ恩返しができればと思い
ます。

ミィのまとめ

なゆさん、まだ完全に本調子じゃないのに、文章をまとめていただき、本当にありがとうございます。

まず、ツッこませていただきますが、「私の症状は軽かった。こんなんで産後うつといっていいのか。」と書かれていますが、「産後うつ」という表現では甘いくらいだと思います。

なゆさんは、うつ病の症状を網羅されてますし、重い「うつ病」でいいと思います。もうご自分を責めたりしないでくださいね。

それにしても、なゆさんの文章を読んでいて、共感して泣きそうになりました。

私も、仕事はきちんとこなさないと気が済まないタイプ。育児は、仕事とは何もかもが違う異次元ワールドで、順応するのに、時間がかかりました。

仕事は、一定のルールがあり、効率や理性といったものが重視される世界です。ところが、育児はルールが通用しない赤ん坊の本能との闘い。昨日通用したことが、今日は通用しない。まさに臨機応変な対応が求められます。

子供が3か月頃になってくると、ある程度ルーティンができて慣れてきますが、それまでは「こんな世界ありえない」と思うくらい大変で、先が見えない檻にでも入れられた気分でした。

きっと、産後うつになっていないお母さんも、大変な思いはしていると思います。それに加えて、ホルモンバランスの乱れもあるから、産後うつになるかどうかは、紙一重なんだと思いますね。

これからも、産後うつ体験記の寄稿にご協力いただける方を募集します。

このブログでは、「産後うつ」=「産後、うつなどの精神疾患」という意味で使っています。

うつ病に限らず、双極性障害、パニック障害、産褥精神病などの精神疾患を患った方やうつ病までは行かないけど抑うつ状態だったという方の体験記を募集しています。     
   


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